だいふかない記録

だいふくがマンガの感想を書いたりほかのことを書いたりします

昔話

 どうも、ごきげんよう。だいふくです。宝くじはずれました。

 今回は趣向を変えて、昔話でもしてみようと思います。隙あらば自分語りしたいお年頃なのです。

 まぁ、結論を先に言っておくと、『怪しい宗教には気を付けよう』というお話です。ゆうさく注意喚起シリーズのBGMを脳内に流しといてください。

 ちなみに、身バレ防止のためにちょこちょこぼかして書いてますので、悪しからず。

 

 

 数年前の話です。

 当時の私は、もろもろあってかなり精神的に弱っていました。

 そんな状態である日、駅前を歩いていたら、若い女性の方(以後Aさんと呼ぶ)に声をかけられました。

『おっ、ナンパかな?』

 と思い、足を止めましたが、どうやらアンケートを取りたいとのこと。

『なるほどアンケートを装ったナンパかな?』

 と思い、応じることにしました。

 適当な世間話を交えながら、何かいろいろ話をした気がします。大体忘れてしまったのですが、何となく覚えてるのが、「今の人生の満足度は何パーセントくらいですか」とかそんな感じの質問。たしかその質問は結構序盤にされて、私は低い値を答えたので、そこでターゲットとして見られるようになったのかなと、今になって思います。

 あともう一つ、強く印象に残っているのが、Aさんがメモを取っている素振りを全く見せなかったことです。一応バインダーは持っているのですが、ひたすら私の話に相槌を打ち、雑談に応じるだけ。途中、私の視線に気づいたのか「大丈夫ですよ。ちゃんと覚えてますから」と笑顔で言われました。

 で、しばらく話した結果、多分満を持してなのでしょう。Aさんが所属する団体でやっていることは、私のためになる、詳しい話をしたいから本拠地に来ないか、という話をされました。

 事前にクソ怪しい団体名と、宗教系の集まりだという話は聞いていたので、どう考えても怪しさマックスです。が、最初にも言った通り、当時の私はかなりメンタルがやられていました。脳みそがまともに機能していません。しばし悩んだ後、『虎穴に入らずんば虎児を得ずだ!』と了承してしまいました。

 

 さて。そんなこんなで二人で雑談しながら歩いて、本拠地へ潜入しました。

 中に入ると、すでに何人か私のほかに誘われた人たちがいて、いろいろ話をしている様子でした。特に威圧的な様子や、お金のやり取りをしているといった雰囲気は見受けられません。

 ともあれ、部屋の奥の方へ案内されました。

 そこで、まずは性格診断みたいなものをやりました。ごく一般的な奴で、特別変わった設問などはありませんでした。

 そうしてそれを終え、答案をAさんに渡すと、団体のメンバーで、ちょうど遊びに来ていたという若い男性の方(以後Bさんと呼ぶ)が、フレンドリーな感じで「僕もいいですか」と、私の前に座ってきました。

 Aさんが書類を取りに行くと言っていなくなってしまったので、私は緊張しながらも、Bさんと雑談を交わします。

 結論を言うと、ここでの正着はスマホで団体名を調べる事だったのですが、初対面のBさんを前に、そんな非常識なことは私にはできませんでしたし、そこまで頭が回ってはいませんでした。

 やがてAさんが資料をもって来て、三人になりました。それからは基本的に、Aさんが団体の方針ややっている事等の話をし、私が相槌を打ち、Bさんはたまーに口出しをするという感じの状況が続きました。

 Aさんの話自体はなるほどと思わされる部分もあり、それなりに有用なものなんだろうなと感じました。月々××××円かかると言われましたが、それで自分の性格を少しでも良くできるなら、アリだなと感じました。

 とはいえ、危険な橋は渡らないを信条に生きてきましたから、その場で入会を決める気は全くありませんでした。そして、そのことはキッチリと、お二人に話をしました。

 お二人も、私のその言葉にうなずきました。

 で、それからも、延々と話が続きました。

 会話内容については、正直、ほとんど覚えていません。

 もしかしたら、単純に私が、家族以外の誰かと話したかったり、愚痴を言いたかったり、自分の嫌な部分を共有できる相手がほしかったり、私の人格を肯定してくれるのが嬉しかったりしただけなのかもしれません。

 彼女らとの話は楽しかったです。

 また、改めて考えてみると、多分、一番しゃべっていたのは圧倒的に私でした。彼女らは、かなりの時間、聞き役に徹していました。

 そうして、私に気持ちよくしゃべらせてくれたという事実は、今でも、とても嬉しく思っています。

 ともあれ、かなり長い時間、ひたすらしゃべり倒しました。

 で、向こうもしびれを切らしたのか、再び勧誘が始まります。団体に加入しないか、と。

 私は徹底的に「絶対に今日は決めません。一度家に帰ってから決めます」と言い続けました。が、向こうもかなり、しつこいくらいに粘ります。

 そしてその攻防は、Aさんの一言で、いともたやすく決壊しました。

「そういう人って、経験上、絶対に、連絡が来なくなるんですよ」

 たしかに、と、強く納得しました。

 そこからは、もう少しだけ悩んで、加入を決めました。

 そうして書類に本名と住所と書いて、出してしまいました。

 お金は、ちょうど持ち合わせがなかったので、次来た時に払います、という話をしました。

 

 うちに帰って、グーグル先生に団体名を訊いてみて、愕然としました。

 かなり有名な、普通にヤバいところでした。

 

 住所と本名を渡してしまった事まで両親に話をしたところ、私の精神状態を理解していたのもあり、「まぁたぶん大丈夫でしょ」と軽く流してもらうことができました。

 翌日、丁寧にお断りのメールを入れました。

 以後、全く関わりはありません。

 

 

 という事で、以上、大変やらかしたお話でした。

 実はこの出来事、

・アンケートなのに質問内容が物凄くざっくりしている

・アンケートなのに全くメモを取っていない

・団体名がクソ怪しい

・提出する書類の記入欄が、かなり変

 等、当時のポンコツ脳みそでも違和感を覚える要素が多数ありました。が、その違和感を危険信号に変換できないのが、精神的にやられている状態なんだな、と、つくづく感じました。そら悪徳宗教に騙される人が後を絶たないわけだわ。

 

 また、どこまで計画的だったのかはわかりませんが、徹底的にスマホを弄るスキを与えられなかったな、と、後になって思いました。アンケートから始まり、本拠地ではBさんを用意することで、自分以外の脳みそを活用するタイミングを完全に消し去っていました。

 ある意味、今回の最大の不運は、途中で尿意を催さなかった事かもしれません。

 

 ともあれ、こうしてAさんBさんを悪者として書いてきたわけですが、個人的には、この二人に対してはかなり複雑な感情を抱いています。

 この二人と会話していた時は、普通に楽しかったですし、またお世辞も多分に入ってはいたのでしょうが、私の人格をたくさん肯定してくれたことは、素直に嬉しかったです。

 なので、そんな彼女らの人の良さは、本物であってほしいと思います。

 ですが同時に、悪徳宗教団体に騙され搾取されている善人であってほしくない、悪人であった方がまだ救われる、という思いも、同程度にはあります。

 でも彼らが悪人だとすると、私の個人情報を悪用される恐れもあるので、やっぱり善人であってほしいかな、とか思いなおしたり。

 まぁ別に免許証見せたわけじゃないんで、偽名偽住所を書いたという可能性も否定できない以上、向こうも簡単に悪用できるとは思えませんけども。

 

 そんな感じで。

 精神弱ってるときはまともな判断ができないから、ある程度騙されるのはしかたないです。

 だから、どんな正論よりも、甘言よりも、目から鱗が落ちるような名言よりも、『何か重要なことを決める時には、死んでも一晩寝かせろ』という言葉を一番最初に持ってくるよう、意識をするようになりました。

 

 ちなみに最近、また若い女性からの怪しいアンケートに答えましたが、特に何もありませんでした。