だいふかない記録

だいふくがマンガの感想を書いたりほかのことを書いたりします

再摂取したものまとめ

 どうも。ごきげんよう。だいふくです。
 最近、久々に摂取した作品がいくつかあって、こんなに印象変わるのかと驚いたので、まとめてみます。

 

 

みずたまぱにっく。
 最後に読んだのは中学生か高校生のころ。根本の設定だけは覚えてた。
 同作者の代表作しにバラより個人的には好きな作品、という印象だったが、改めて読んでみたら、あまりの内容の薄さに驚いた。物語としてマシロが何かを成し遂げたという感じでもないし、自分なら本編を半分くらいに圧縮して、後半で忍とマシロを深掘りするかなあと思う。とはいえ、あの文章は良くも悪くもオンリーワンな個性を持っていて、独特な雰囲気を醸し出している。これも一つの作家性というやつなのだろう。

 

みずたまぱにっく。2
 千尋についての話。一巻に比べるとわりと内容がちゃんとしてて、結構面白かった。けど、やっぱあんま強い感情のうねりみたいなのはなくて、一応ひととおり読んだはずなのに、印象が薄い。もしかしたらラノベで日常系四コマをやりました、みたいな話なのかもしれない。そう考えると、単純に時代を先取りしすぎていただけの可能性が微レ存?

 

ヒャッコ
 多分大学生のころに読んだのが最後。
 なんかすげえ面白かった記憶があって、数年前にブックオフでまとめ買いしたんだけど、そのまま放置してた。
 作品全体でみると、記憶通りの面白さで、何度も読み返したくなるくらい大好き。
 それはそうと雀が虎子好きすぎる……。一巻最後の過去編が、全編通して一番良かったかもしれない。

 

・この広い世界にふたりぼっち
 七草先生がイラスト担当という一点のみで購入、以外の記憶が完全に抜け落ちてた。発行年的に高校生のころに読んだらしい。
 第一感として、句読点の打ち方に強烈な違和感がある。明らかに意味合いの異なる文章なのに、なぜか読点でつないでいる箇所が多数見受けられた。また『〇〇、××、△△△△。』みたいな、似たような言葉を羅列させる文章が多用されていて、中盤以降はそのリズムに見飽きてしまったところがあった。戦闘シーンもとにかく読みづらく、正直、なにをしているのかが全然理解できなかった。作者はこの次の次の作品から日常系ラブコメで結構人気が出た(読んではいない)ので、もともとそういう方向性が書きたかったんじゃないかと邪推してる。
 ただ、ここまでやいのやいのと言ってきたけど、一点、主人公のキャラ造形が飛びぬけて良かった。特に、虐待されている少女たちへの対応が見事で、より深く、人間味にあふれた主人公となっていた。正直、自分では、あれは描ける気がしない。シロやクラスメイト、家族に対する態度を考えると、少女たちへの対応は正反対なものにしてしまうと思う。
 ちなみに、現実的なの話、句読点や文章表現の狭さについて、当時違和感を覚えた記憶は一ミリもないので、後述するまよチキとあわせて考えてみても、やはり、ライトノベルには文章力はそれほど重要ではないんだろうな、と思う。
 あ、七草先生のイラストはどれも本当に良くて、特に、あのストイックなまでのモノクロ絵はまさしく先生の完成形だと思うんだけど、まあラノベ的ではないよねって感じ。

 

まよチキ!
 大学生のころに読んだのが最後。「すげえ面白いぞこれを師匠の一つとしよう」って思ってた記憶がある。
 アマゾンで「内容薄すぎ」って評価されてて、そんなだったか?と思いながら読み返して、なるほどその評価を下されるのも仕方ないなと思った。
 とにかく下げが足りない。ヒロインの境遇を聞いたときとか、本編に三か所くらい重ためのシーンがあるんだけど、そのことごとくが『……〇〇だよな』みたいなモノローグで処理されている。その時の内的な感覚とか、表情とか、湧き上がってくるものとか、そういうものをしっかり描写して、感情的に下げるところをきっちり下げてこそ、その後の解放でカタルシスが生まれるわけで、それをモノローグで誤魔化したら、そら薄っぺらく見える。ついでに言うと、構成的に、第三幕がかなり短くアッサリしていて、主人公の苦しんでいる時間が物足りなかったのも、物語の薄さに拍車をかけていたと思う。後半に明らかに物語に奉仕しない余計なエピソードが入っていたり、スタンドバイミーの出すタイミングとか、いろいろと甘い部分も見受けられた。
 ただ、その辺の欠点を補って余りあるほどに、スバル様がかわいかった。やっぱラブコメってヒロインの魅力こそが正義なんだなって思った。
 ちなみに本作では妹含めて三人の女キャラが出てくるんだけど、全員が全員暴力キャラで、主人公がひたすら理不尽にボコボコにされていて、ああこういうヒロインが粗造乱造されてた時代あったなあってちょっと懐かしくなった。

 

・この世界にiをこめて
 たぶん四年前くらいに読んだ。
 才能に対する苦しみと、憧れと、執着と、切実な感情を描いた作品で、好きか嫌いかでいえば一番好きな小説だが、エンタメとしては少し弱めだから、他人におすすめするときは君月にしようって考えてた。久しぶりに読み返してみて、その構成と物語の美しさに目を見張った。
 虚数軸と実数軸の狭間で揺れ動く主人公が、虚数軸に生きる決意を固め、しかし、小説を書くことで、実数軸を生きる力を得る物語。その、実数軸を生きる事を決めた主人公の最後の行動が、あまりに綺麗に物語にハマっていて、読了後の気持ちよさを何倍にも引き上げていた。
 当時、「i章は小説なのか事実なのかあえてぼかして描いてて、でも多分小説なんだろうなあ」といろいろ考察しながら結論出してたんだけど、今読み返してみたら普通に小説だって読み取れる箇所が複数あって、当時の私の目節穴すぎんかと思った。

 

・怪盗クイーンはサーカスがお好き
 たぶん中学生のころに読んで以来。
 東洋の神秘ですねっていうボケ以外ほとんど忘れた状態で映画を見て、こんな話だっけって思って読み返してみたらこんな話だった。
 もしかしたら、子供のころに読んだときより楽しめたかもしれない。クイーンもジョーカーもRDもみんな魅力的で、一生彼らのやり取りを読んでいたいと思える。結構無茶なことしてたりご都合主義っぽい所もあるんだけど、まあクイーンなら仕方ないかと思わせてくれる力があった。読者にそう思わせられたらもうそのキャラクターは勝ちだよな。

 

・都会のトム&ソーヤ
 たぶんこれも中学生のころに読んで以来。
 何巻だったかで栗井栄太にぎゃふんと言わせたエピソード以外ほぼ忘れた状態で読み直してみたんだけど、正直、最近読んだ本で一番面白かったかもしれない。最初から最後までワクワクが止まらなくて、マジでびっくりした。
 で、ワクワクってなんなんだろってふと考えてみたんだけど、多分、「このキャラは次に何をしてくれるんだろうか」という期待感なんだと思う。はやみねかおる先生は、この、期待感の煽り方が抜群にうまく、実際にキャラクターが期待に応えてくれるから、しっかりとした満足感がある。先生のほかの作品も少しずつ読み直していこうと思う。

 

・ムカデ
 amazarashiの曲。大学生のころ、よくカラオケで歌ってたけど、歌うたびに「サビがダチョウ倶楽部にしか聞こえないんよ」って思ってた。数年ぶりに聴き返してみて、あまりの衝撃に呆然となった。
 徐々に追いつめられてゆくひりついた感覚、居場所のなくなってゆく苦しみ。それは攻撃性へと変化し、救いを求め、しかし最後まで救われることはない。
 歌詞も曲も声も、あまりに尖っていて、でも、それゆえに心の深い所に届いた感触がある。
 amazarashiの曲は、暗いようでいて前向きなものが結構多い印象あるんだけど、ムカデはおそらく、最後まで救いのない、ただ救いを求め苦しみ続けるだけの物語だった。(解釈によっては希望を持たせた終わり方だと考える人もいるとは思うけれど)
「愛は愛のフリして全部飲み下せと刃物のぞかせる」このフレーズの意味を理解できなかった大学時代の自分は、幸福で、世間知らずだったんだなぁと思う。

 

・爆弾の作り方
 これを聴く前にたまたま「この世界にiをこめて」を読んでいて、それでようやく爆弾が意味するところを理解した。
 ジュブナイルは悪い言い方をすれば上から引っ張り上げようとする歌だったけれど、こちらは同じ高さから歌っているような印象を受けた。

 

・奇跡
 大学生のころ、サビで奇跡奇跡と二回重ねることから「はいはい奇跡奇跡」と肩をすくめ、「それが奇跡ならこれも奇跡でしょ? じゃあべつにいいよね?」と強気に我を通す歌だという解釈をしていた。が、久々に聴きなおして、たぶんそうじゃないな、と思った。
 たぶん、この歌は、究極の存在肯定なのではなかろうか。
 大学生のころ、とある講義の、外部講師の人に救われたことがある。「あなたは生まれてきたくて生まれてきたんじゃない。だから、死にたいなんて、自分を責める必要はない」たしか、こんな意味の言葉だった。
 amazarashiの歌い上げる奇跡は、たぶん、そういう意味なんだと思う。
 こんなはずじゃないと苦しむそのすべては、父と母の出会い、その血筋、宇宙の始まりにそもそもの根源がある。現在の僕たちは、その、文字通り天文学的な確率、奇跡の上に成り立っている。だから、立ち向かうのも引き返すのも、それは、これまで連綿と続いてきてこれから先も永遠に終わらない、奇跡の一つだ。僕たちは、僕たちのしたいようにすれば良い。
 そういう意味で言うと、この歌における奇跡とは、文字通りあらゆる事象、あらゆる選択のことを指しているのだろう。これまでも、今この瞬間も、この先も、すべて奇跡。無理に立ち向かう必要はないが、引き下がるべきというわけでもない。好きにしたらいい。そのすべてが正しい。
 そんな風に、今の私は解釈した。
 ちなみに、奇跡奇跡と二回続ける意味はよくわからなくなった。意味なんてないのかもしれないけど、歌詞に二回ずつ書かれてるから何かしら理由はありそうな気がしてる。よくわからん。

 


 ということで、ここ数か月せっせこ作ってた爆弾がようやく一つ完成し、ひと段落ついたので、久々にブログを書いてみました。次の爆弾は設計図でずっとつまずいてて困ってるんですけど、まあ、がんばります。

映画まとめ2021

 どうも。ごきげんよう。だいふくです。
 気付いたら年が明けていたので、多少遅れましたが2021年に鑑賞した映画についてまとめて行こうと思います。

 

ガルパン最終章三話×2
・ポンポさん×2
スタァライト×2
ゴジラVSコング
・竜とそばかすの姫
・サイダーのように言葉が湧き上がる
・ベイビー・わるきゅーれ
カリオストロの城
・アイの歌声を聴かせて
・サマーゴースト
ターミネーター

 

 なんとか二桁乗りましたね。別に映画好きってわけでもないし、見ている本数を誇示するような気もないですけど。
 しかも見た映画のほとんどがアニメなんで、まぁ順調にキモオタやってますなあという感じ。
 以下簡単なレビュー。多少ネタバレするので注意。


ガルパン
 クッソ面白かった。まさか本当に継続との戦いが描かれると思わなくて超興奮した。
 魔女やばいし、それを察知してフラッグ車を守る麻子も有能すぎる。
 二回戦まではまさしく傀儡隊長だったので、ここで桃が隊長としての成長をしっかり描いて、決勝で新生大洗と新生黒森峰がぶつかり、負けるけどなんやかんや推薦を取れました、くらいに予想してる。
 パチンコに進出してるのは気に食わないけど、パチマネーのおかげで超クオリティの映画を作れてる側面は間違いなくあるだろうから、割と複雑な気分でもある。
 ともあれ、四話が待ち遠しい。

 

・ポンポさん
 大傑作。
 原作が大好きで、待望の映画化だったわけだけど、オリキャラが出てくるっていう前情報から期待半分不安半分って感じだった。
 蓋を開けてみれば、大成功。全く嫌みのない、最高に格好いい凡人。これ以上ないくらいピタッとハマるオリキャラ
 退屈になりがちな序盤はアニメならではの演出をふんだんに使って観客を引き込み、中盤からは物語とキャラクターの力でぶん殴ってくる感じだった。
 90分ピッタリに収めたのも最高。
 ただ強いて言うなら、花譜さんの歌声が少し大きすぎて耳障りに感じられる部分があったのと、物語的に、鶴の一声で解決しているところが不満点。
 それと、あまりに綺麗にまとまりすぎてて、何度も見ようという気持ちが起きにくかったのが、どうしようもないとはいえ勿体ない。

 

スタァライト
 衝撃だけで言えばポンポさんに並ぶか、それ以上かもしれない。
 ロロロでスタァライトと映画館の大画面大音響の相性の良さを知ったので、そういう目的で見に行ったわけだけど、想像をはるかに超える情報の暴力に、ひたすら圧倒された。
 ポンポさんとは対照的に、こちらは一見では何がなんだかさっぱりわからないので、考察ブログを読み漁ったり何度も見たくなる魅力があった。
 皆殺しのレヴューと狩りのレヴュー、いいよね……(ばなな推し)
 ただ個人的に、かれひかの物語が一番興味なかったせいで、後半が一番冷めた状態で見ることになってしまったのが辛かった。
 考察ブログで、かれひかは幼少期からお互いに奪い合う関係だったって書いてあって、なるほどなあと思いました(こなみかん

 

ゴジラVSコング
 クッソ金のかかったB級映画だった。酔った状態でやいのやいのツッコミを入れながら見るのが一番面白いだろうなと思う。
 手話を解するゴリラがいるのは知ってるけど、それはそれとしてコングと意思疎通ができたらいかんでしょ。怪獣としての面白みが半減だよ。
 個人的な爆笑ポイントは、ゴジラの光線が地球の内側まで貫通したところと、コングの斧にゴジラが光線を浴びせるとこ。映画館であんなに笑ったのキンプリ以来だよ。

 

・竜とそばかすの姫
 すっごい面白かった。
 現実世界で抑圧された主人公の、バーチャル世界での解放。この爽快感がたまらない。
 竜に関しては、かなり現実的というか、まさしく現実の生き写しだよなと言う感じ。死刑になるような凶悪犯罪者が虐待されて育ちましたなんていつもの話なわけで。
 何をしたかにのみ焦点を絞って正義をかざす人間には、その人がなぜそうなってしまったのか、何をされてきたのかは見えないんだろうな。
 終盤の、誰も大人がついていかずにすず一人で救いに行くのはまぁひどい展開なんだけど、虐待親の威嚇と竜の威嚇を重ねて、全くビビらないすずの描写は滅茶苦茶良いと思った。

 

・サイダーのように言葉が湧き上がる
 好き。めっちゃ好き。
 まーじで登場人物みんな可愛い。主人公もヒロインも友人ズも姉妹たちも、みんな可愛い。すごい。
 物語としての起伏は少ないんだけど、圧倒的に爽やかで、気持ち良い作品。
 最後の告白の、みんなが花火に気を取られている中、主人公とヒロインだけがお互いだけを見ているところとか最高。もう好き。

 

・ベイビー・わるきゅーれ
 ツイッターで絶賛されてたから見に行った。マイナーな映画館なのにかなり客が入っててクチコミ効果すげえなってなった。
 個人的にはそんなに好きじゃない。ヤクザ側の理不尽な暴力描写が苦手で、そういうのがダメな人にはきついだろうなって印象。きつかった。
 ストーリーもそれほど起伏があるわけじゃなくって、社会になじめない主人公たちがあがいたり諦めたり頑張ったりする様子を淡々と描いてて、雰囲気の好きな人なら好きだろうなって印象。
 ただ、戦闘描写はかなり良くて、個人的にはるろ剣に迫る魅力があるなと思う。人を殺すことへの葛藤とか苦悩が一切なく、スパスパ殺していくのもある種の爽快感があって良し。

 

カリオストロの城
 4K7.1ch版でやってたので見に行った。「あなたの心です」以外何も知らない状態で見たけど、なるほど傑作だった。こりゃ名作として語り継がれるわけだ。
 とにかくルパンが格好いい。どんなずるいことやっても「まぁルパンだしな」で納得できるの、キャラクターとして最強の状態でしょ。
 ルパンと銭形の共闘も最高に熱かった。

 

・アイの歌声を聴かせて
 あんま興味なかったけど、ツイッターでやたらと評判良かったので見に行った。かなり面白かった。
 キャラの印象を反転させるのがとにかく上手くて、特にアヤは序盤の嫌な奴から終盤でゴッちゃんより前を行くところまで見事な変化だった。
 ストーリーは後半の回収が気持ち良いって聞いてたけど、なるほど確かに見事な回収で、脳にダイレクトに快感が伝わってくる感じだった。
 個人的には、最終局面に至る前のところで母が救われているところが非常に上手いなと思った。これが、最後の取締りの言葉で救われていたら、結局鶴の一声じゃねえかってなるので。

 

・サマーゴースト
 40分くらいの短編映画だけど、個人的にはものすごい衝撃だった。
 淡くて細い絵と、声と、キャラと、ストーリーと、40分とは思えない厚みと尖り方だった。
 一部アニメーションと声が合ってなかったり、カクついてたりもしてたし、粗もいろいろあるけど、この圧倒的な熱量を前にはもう全部どうでもええわって気分。
 でもちゅんちゅんはサマーゴースト見た後にコメントがなかったので、合わなかったっぽいっすね。すまんこ。

 

ターミネーター
 午前十時の映画祭で見た。
僕「お、マトリックスやっとるやん、気になっとったんや。マトリックス一枚ください」
スタッフ「……ターミネーターですか?」
僕「???」
スタッフ「???」
 っていうやり取りを経て、もともとターミネーターを見る予定なかったけど見た。なんで勘違いしてたんだこいつ……。
 正直、期待してたほどは面白くなかった。なんかいきなりセックス始めて滅茶苦茶びっくりした。
 なんでこれが名作として語り継がれてるんだって思って調べた感じ、当時は強い女性を描いた作品があんまなかったそうで、そういう新規性がウケたのかなって思った。
 シュワちゃんのガワが外れて機械の身体になって以降、コマ撮りで動かしてるらしく、今では見ない手法だからか逆に動きに不気味さを感じられたのは興味深かった。
 翌週ターミネーター2がやってて、そっちはかなり面白いらしいから見たいなあと思って、結局見てない。カス。
 ちなみにマトリックスはこないだアマプラで見て、滅茶苦茶面白くて大満足した。話の密度と映像の魅力がやばい。


 以上! これ書くのに二時間かかった。疲れた。カス。じゃあの。

映画まとめ2020

どうも。ごきげんよう。だいふくです。
今年も鑑賞した映画についてまとめて行こうと思います。


・パラサイト
・CATS
・音楽
・キンプリベスト10
・1917
AKIRA
・レヴュー・スタァライト×2
・TENET
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
・BURN THE WITCH
・若おかみは小学生
のんのんびよりばけーしょん×2
もののけ姫
インセプション

 今年は新作が少なかったけど、リバイバルで見たいものが多かった。のに結局あんまり見れなくて、後悔が多かったなぁ。
 千と千尋とかダークナイトとかインターステラーとかシンゴジラとか見たかった……。リズ鳥やってくれれば毎日見に行ったんだけど、福岡とかいう辺境の地ではやってくれませんでしたね……。
 TENETとヴァイオレットは二回以上見ようと思ってたけど、なんかエネルギーが足りなくて見に行く気になれなかった。もったいない。
 という事で、以下簡単にレビュー。

・パラサイト
 面白かった。面白かったけど、見ててしんどかったしもう見たくない。
 割とコメディ調ではあるんだけど、共感性羞恥があるとダメというか、主人公たちの行動にハラハラしっぱなしで没入しにくかった。

・CATS
 キンプリヤクザが「実質キンプリ」って言ってたから見たけど、キンプリよりよっぽどストーリーがしっかりしてた。
 アメリカでは随分けちょんけちょんに叩かれてたらしいけど、そんなに気持ち悪いか? というのが正直な感想。
 普通に面白かった。

・音楽
 某映画批評ブログが「音楽に対する初期衝動をとても丁寧に描いた作品」と高評価していたため見てみた。
 細かい技術のない、単純に重ねた音が格好良かった。古美術好き。

・キンプリベスト10
 すげー頑張って尺伸ばししました感がすごい。そこまでするならシャインのプリズムショー最後までやってほしかった。
 応援上映は楽しかったけど、ほんへみたいな狂気がなかったから何度も見に行こうとはならなかったなぁ。 

・1917
 クッソ面白かった。久々に戦争映画見たけど、やっぱこのヒリヒリ感が魅力だよなぁと思った。
 これで大団円かなと思ったところからもう一転、最後の山場が来てブチ上がる構成がすごくよかった。
 戦争映画は音が魅力だけど、この映画はそれに加えて映像がとにかくよかった。

AKIRA
 よく名前は聞くけど見たことなかったなぁと思って見てみた。傑作だった。
 超ぬるぬる動くし、バイクめっちゃ格好いいし、声も良かった。
 頭捻りながらうんうん見てたけど、結局話はよくわかんなかった。漫画を読もうと思ってまだ読んでない。


・レヴュー・スタァライト
 テレビシリーズの総集編という事で、ストーリーうろ覚え状態で行った。

 かなり大胆な構成に組み替えていたけれど、多分あの時間でまとめるなら最適解なんだろうな。
 映像面はとても良くて、大画面、大音響で見るとこんなに格好いいのかとびっくりした。
 ばななちゃんほんと好き。続編楽しみ。

・TENET
 わけわかんなかった。マジで。
 満腹で眠い状態で行ったのもあるけど、マジで頭上にクエスチョンマーク浮かべながら見てた。
 見終わってから解説記事読みまくって、なんとなく理解して、二回目絶対見に行くぞと心に誓ったけど結局見に行かなかった。悪役の人が怖すぎんだよ……。
 なんかこの辺から疲れるのが嫌で映画見いけなくなった。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン
 面白かった。正直完全に予想していない展開でびっくりしたけど、物語の最後としてはふさわしいのかなとも思った。
 でも終盤の一番の盛り上がりどころでなぜか真顔になってしまった。さっきまであんなに泣いてたのにって驚いた。

・BURN THE WITCH
 原作の短期連載を二話まで読んだ状態で見に行った。
 とても格好良かったんだけど、いかにも続編ありきな展開でウームという感想。
 読み切りがあまりに面白かったので、そこを込みで映像化してほしかったなぁと。

・若おかみは小学生
 クッソ泣いた。実質貸し切り状態で見たのもあって、声出して泣いた。年取るとああいうのに弱くていかんね。
 コメディ調の序中盤から、最後のあの成長は反則だわ。改めて考えると結構無理やりなストーリーなんだけど、それはそれとしてとにかく感情を強く揺さぶられた傑作だった。

のんのんびよりばけーしょん
 アマプラで見て「面白かったなぁこの映像は映画館で見たかったなぁ」と思ってたらリバイバル上映してくれるという事で、意気揚々と行った。
 大画面で見るあの夜の海は、本当に綺麗だった。

もののけ姫
 子供のころに見た記憶があるんだけど、サンがクッソ可愛いなって印象しか残ってなかった。これではいかんと思って見たけど、やっぱりサンが超可愛かった。性癖ドストレートというか、幼いころに見たから彼女が性癖になったのかなっていう感じ。
 アシタカについては全く記憶に残ってなかったけど、改めて見てみたらスゲー良い男だった。 

インセプション
 大学生のころに友人とDVDで見てクッソ面白かったので、リバイバル上映にも意気揚々と行った。やっぱクッソ面白かった。人生で三本の指に入る傑作映画。

 

というわけでこんな感じ。来年はもうちょっと元気が出るといいなぁ。

読んだ本とか読んでない本とか

 どうも、ごきげんよう。だいふくです。

 積読が増える一方なので積んでいる本と最近読んだ本を交互にレビューしていこうと思います。

  

死に至る病

 読んだやつ。銭湯で読む本を持ってき忘れて、急遽近くの本屋で購入した。

 幸せな家庭に生まれた人は幸せな人生、不幸な家庭に生まれた人は不幸な人生を送ることになるという、あまりに残酷で理不尽な現実を突きつけてくる本。とても辛い。この手の「生きづらい人」は戦後ある時期から増えてきたらしいが、その理由を「それまで可視化されなかった」ではなく「そういう人は幼いうちに死んでいた」と説明していて、目から鱗が落ちた。

 

床下の小人たち

 積んでるやつ。エブリデイマジックなるジャンルを知り、その代表的な作品として挙がっていたので購入した。

 一話くらいは読んだ気がするけど、思ったより読みにくくて食指が動かない。借りぐらしのアリエッティの原作っぽいけど、アリエッティ見てないんだよなぁ。ジブリと言ったらもののけ姫だよなぁ。

 

安達としまむら(9)

 読んだやつ。待ちわびた九巻。生きがい。

 最近はアニメ効果で毎日のようにあだしま絵がツイッターに流れてきてとても幸せ。

 九巻は日野永藤の話ががっつり描かれてて、とても良かった。あとしまむら母が強すぎる。こんな好き放題動かせるキャラが誕生して、作者はウハウハやろうなと思う。でも安達母が扱いにくすぎるから、相殺されてるかも。

  

・裏世界ピクニック(4)

 積んでるやつ。待ちわびた四巻だけどなんか読むタイミングを逸した感。

 面白いんだけど、普通にホラーとして怖いから、読むのに勇気がいる。読んだら多分数日間は電気消して眠れないから、社会人やってるとなかなか読みにくい。まぁいうて三巻はあんまりホラーじゃなかったから、そこまで気にすることないのかもだけど。

 ちなみに漫画版をネカフェかどっかで読んだけど、普通に面白かった。でも怖さでいえば原作の方がはるかに上だった。文章であんなに怖いのすごくね。

 

・さよなら世界の終わり

 読んだやつ。買ってからしばらく積んでたけど、あとがきを読んだら自然とほんへに手が伸びてた。

 内容はかなり暴力的で、かつ退廃的厭世的な、佐野先生らしさ全開のものだった。それでも美しい文章と魅力的なキャラクターにグイグイと引き込まれ、一気に読み切った。やっぱりこの人の小説は好きだなぁと思った。

 

・菅井ノート 相振り編

 積んでるやつ。某フォロワーに勧められて購入した。

 買ったはいいけど、やばボーズ兄貴が難しすぎて挫折したって言ってる時点で選択を間違えた感がある。そもそも盤に並べて読むタイプの棋書が苦手なので、できればすべての棋書をさしこな本形式にしてほしい(わがまま)。

 いつまでも積んでてもしかたないので、どっかのタイミングでちゃんと読もうとは思ってる。

 

・相振り飛車を指しこなす本(4)

 読んだやつ。ずっと積んでたけど某フォロワーに勧められて読み始めた。

 1~3に比べて明らかに難しい感じがする。でもこの本で解説されている序盤の駆け引きを見ると、なるほど序盤って面白いなと感じられた。やっぱりてんてーは偉大。まだまだ全然理解できてないので、きちんと繰り返し読まないと。

 

・裁判官も人である

 積んでるやつ。ツイッターで見かけて興味を持ち、購入した。ハードカバーってなんであんなに高いの全部文庫にしろ(暴言)

 最初のいくつかの話を読んだけど、割としんどい。なんか、読んでて怒りそうになるから、それを抑えるのに疲れる。仕事終わりに風呂に入りながら読む本ではない。でも内容はとても面白いので、ちゃんと読みたい。

 

・少女庭国

 読んだやつ。メロブの百合コーナーに置いてあって、なんとなく買ってみたらとんでもない爆弾だった。絶対百合コーナーの担当者これ読んでないでしょ。

 とにかく衝撃的な内容。ネットで感想とか考察とか漁っていると、現代の奇書というフレーズを見かけたくらいに尖っていた(まぁネットの書き込みは大概針小棒大なものなので、真に受けてはいけないが)。途中まではバッドエンドしかないCOCを読んでいるような気分だったが、気づいたら人類史を追っていた。意味が分からない。とにかく面白いが、非常に強烈な内容であり、かつあまりスッキリする終わり方でもないので、他人へのおすすめはちょっとしにくかったりする。でも是非読んでもらいたい。

 

・夢の端々

 積んでるやつ。ツイッターで誰かがオススメしてて気になって購入した。

 一話だけ読んだけど、あーこれ絶対面白いけどクソ重い奴だしんどいって思ってそこから先へ進めない。大人になるってこういう事なのねとか情けない事を思う。いっくんはすげー絶賛してたけど、私といっくんは割と嗜好がずれてるので、あんまり信用してない。

 

安達としまむら(2)(コミック版)

 読んだやつ。原作への理解度が高すぎる。

 そもそも一巻の第一話にドーナッツの話を持ってくる時点で、明らかに理解度がおかしい。この人がコミック担当で良かったと心底思う。11話扉絵の安達が超好き。

 ちなみに以前やっていたという四コマの方は読んだことはない。

 

・承認欲求女子図鑑

 積んでるやつ。一週間くらい前に買ったばかりだし、積んでるっていうかまだ読んでないだけ。

 にゃるら氏の文章が好きなので軽い気持ちで購入したけれど、なんか見た目に反して重そうな印象がある。読んで大丈夫かな死にたくならないかな。

 

・雨でも晴れでも

 読んだやつ。あとがきによると、とどのつまり有頂天をよりしっとりさせたとのことで、なるほど確かに毛色が違う。でも相変わらずにゃんにゃんは可愛い。ペンギンが見た目に反して物凄く良い子なのがギャップ萌えという感じで良い。

 

完全自殺マニュアル

 積んでるやつ。積んでるっていうかこれもまだ読んでないだけ。

 早く読みたいけど外で読むのはちょっと憚られるよね。タイトル的に。でもパラパラめくってみた感じ、絶対面白いと思う。

 

シノビガミ ルールブック改訂版

 読んだやつ。といってもつまみ食い程度だけど。

 ひとくち卓が大好きで、延々と見続けてたらルルブ買ってた。やる相手もいないのに。でも設定読むだけでも面白いからいいや。

 

 

 だんだん飽きてきて最後の方かなり雑になった。まぁいいか。

 ちゃんと積読消化していかないとねぇ。

 誰得な内容になったけど今回はここまで。では。

トラックに轢かれかけている幼女を救いたい

 どうも、ごきげんよう。だいふくです。

 漫画脳人間なので、もし何か得体のしれない存在に追われた時に逃げ切れるように体力をつけなければなと定期的に考えていますが、結局何もしていない恥知らずの私です。

 というあれで、今日は主人公ムーブについて考察しようと思います。

 題して、

 

  • トラックに轢かれかけている幼女を救うという行為は善なのか

 

 です。

 別に、死は解放だから死ぬ機会を奪ってはいけないとかそういう話ではないです。私は基本的に反出生主義者ですので、産まれて来た時点でマイナスであり、そのマイナスをいかにゼロに近づけられるかが人生だと考えています。この世に生を受けてしまった以上、死は更なる不幸です。幸せに生きながらえることができるなら間違いなくそちらの方が良いでしょう。

 ただここで重要なのは、死は最大のマイナスではない、という点です。しばしば『最悪の場合死に至ることも』みたいな文章を見ますが、人間にとって死が最も不幸な事であるとしたら、この世に自殺なんてものは存在しません。死ぬより苦しいことは山ほどありますし、名誉や尊厳、仲間のために死を選ぶなんていう話も多々存在します。

 良く生きる>死ぬ>苦痛と共に生きる

 が、人生の原則です。我々は良く生きるために努力したり怠けたりしています。良く生きる可能性が(主観的に)消えたとき、相対的に死がマシな選択肢となります。

 で、本題。トラックに轢かれかけている幼女を救うという行為は善なのか。

 ここでいう善については、『幼女を死から救ったことで、彼女の人生が死より上、良く生きるになるのか』と定義づけます。最大多数の最大幸福という観点から考えると彼女一人不幸になったところで他二人以上が幸せなら善と言えそうですが、幼女の両親や救った人間の両親、周囲の人間等複雑に絡み合ってきて考えるのが面倒なので個人的にはそうは考えていないので無視します。

 結論から言うと、幼女を救う行為が善かそうでないかは、生死、後遺症の有無などによります。

 いくつかパターンが考えられるので、場合分けしてみます。

 

①幼女にケガ、後遺症が残るパターン

 漫画の主人公はそんな杜撰な助け方はしませんが、現実には十分あり得る話です。

 これは結構面倒なパターンで、ケガや後遺症の程度、幼女の性格、両親や周囲のサポート等いろいろな要素が絡み合ってくるでしょう。

 

②幼女が無傷、あるいは後遺症の残らないケガのパターン

 主人公ならこれですよね。私の妄想も大体このパターンです。

 これならとりあえず肉体的には幼女の人生に影響ないですね。

 

③救った人間が死ぬ、または重い後遺症を負うパターン

 異世界転生物だと死ぬパターンはありそうですね。重い後遺症を背負った主人公と助けられた少女の恋愛物語とかもありそうですけど、さすがに話が重すぎるのかな。

 これも幼女の考え方、人間性次第と言えるでしょうけど、大抵の場合彼女の人生は罪悪感とトラウマに満ちた、辛いものになるだろうなと予想できます。

 

④救った人間が無傷、あるいは後遺症の残らないケガのパターン

 大体の物語で交通事故はただの舞台装置だから、次の話では全く絡んでこないんですよね。そんなだから面白くないんですけど。

 これなら大方、幼女の人生には影響を残さないでしょう。トラウマだったり無謀な行為を繰り返すことになったりと、細かい影響を言い出したらキリがないですけど。

 

 とりあえずざっくり四つのパターンを書いてみました。後は組み合わせるだけですね。めんどいんで各自でお願いします()

 

 で。ここでひとつの疑問が出てきます。「トラックに轢かれかけている幼女を救うという行為」の善悪が、幼女の感性によって左右されるのか。全く同じことをしても、彼女の人生の幸不幸によって評価が正反対に入れ替わるのか。では、行為自体には善も悪もないのではないか。

 その通りです。全く持ってその通り。

 交通事故を考えるのが一番わかりやすいでしょう。

 居眠り運転をしました。

 そのまま何事もなく目を覚ました場合。動いている車にぶつかった場合。止まっている車にぶつかった場合。人にけがを負わせた場合。人を死なせた場合。それぞれ、罪の重さが違います。「居眠り運転」という行為は全く同じなのに、です。運悪く人を轢き殺してしまったら殺人になるのに、運良く何にもぶつからなかった場合は犯罪にすらなりません。

罪の重さ、善悪は、行為ではなく結果に宿るのです。

 

 というわけで。「トラックに轢かれかけている幼女を救うという行為は善なのか」については、ざっくりと以下のような結論になります。

 

・救った人間が無傷なら多分善

・救った人間が死亡あるいは重い後遺症を負ったら多分悪

・幼女がケガや後遺症を負った場合は本人や周囲の人間次第

 

 まとまりのない結論だけどまぁそもそもの議題がふわっとしているので、致し方なし。

 私はここ数年、幼女をトラックから救ってそのまま死ぬ死に方が理想だと思っていましたが、それはあまりに自己中心的な思考でした。もっとちゃんとした死に方を考え直そうと思います。

 では。

棋書レビュー 詰みの条件

 どうも、ごきげんよう。だいふくです。

 朝の読書タイムって棋書読んでも良いんでしょうか。まぁ私の小中学生時のうんちみたいな棋力では、何を読んでも理解できなかったでしょうけれども。

 という事で今日は棋書レビューです。

 

詰みの条件 宮田敦史

 

 大変な名著でした。

 いわゆる詰将棋の本なのですが、本書は囲い別にカテゴリわけされており、しかも駒余りオーケーと、非常に実戦的となっています。

 そして何より素晴らしい特徴が、「先手が何を持っていれば後手玉が詰むのか、持ち駒の選択肢3~4個を挙げる」というシステム。

 本間先生の「実戦詰め筋辞典」と、森先生の「読み切り将棋」を合体させたような、無茶苦茶手間のかかった素晴らしい一冊となっております。

 

  • レイアウト

 出題一ページ解答解説三ページという構成で一貫されています。解説がかなり丁寧で、詰将棋本にありがちな「この変化でどう詰ますのか分からない」という不満を抱くことはほとんどないと思われます。

 またこの手の問題集にありがちなクソデカヒント君なども存在せず、ストレスフリーで純粋に問題に取り組めるのもとても良かったです。

 

  • 問題数

 美濃は14問と力が入っていましたが、他の囲いは概ね5問前後と、ちょっと少なめな印象。振り飛車党的には満足ですが、相居飛車を好む人にはやや不満が残るかもしれないです。

 

  • 難易度

 正直、かなり難しかったです。

 参考までに私は81道場で三段なのですが、三十分考えても結論が出なくて、結局答えを見るような問題もいくつかありました。少なくとも、あっさり解けるような問題はほとんどなくて、相当手ごたえのある問題集でした。

 棋力的には最低でも有段から。自分の棋力でも結構背伸びした棋書だった気がします。

 

  • 解いてるときの感触

 通常の詰将棋を解いている時とは、だいぶ違う感じがしました。

 私の詰将棋の解き方は、大体、持ち駒からメタ読みして手順を総当たりします。

 本著でも、最初はそうやって解きますが、基本的になかなか解けないので、だんだんと解き方が全体的になります。

 つまりどういう事かと言うと、「この形ならこういう手順で詰みそうだけど、これに当てはまる持ち駒は……」と、三択ないしは四択から探すような解き方になるわけです。

 基本的に、実戦で指し手を総当たりするような時間はありません。だから、事前に形と詰み筋を知っておく必要があります。

この問題集の形式は、この「形と詰み筋」から思考がスタートするのです。

 また、多くの問題は詰まない持ち駒の選択肢も用意されているので、必ず詰むという前提に基づいたメタ読みをすることは少ないです。むしろ選択肢ごとに「一目詰みそう」「何となく詰まなさそう」という直観力を働かせて手を読むことになるので、そういった感覚を養う意味でも有用なのではないでしょうか。

 

 

  • まとめ

 以上が、一読した感想です。

 大変な名著であると絶賛したわけですが、実際のところ、この手の終盤本は二週目以降してみないと何とも言えません。

従来の詰将棋本と比べて、どの程度実戦に置いて役立つのか。これから自分の身で体験してみて、気が向いたら追記しようと思います。

映画まとめ2019

 どうも、ごきげんよう。だいふくです。

 すっかり存在を忘れていたブログですが、なんか書かないともったいないので書きます。真面目な感想とか批評とかを書こうと思うと筆が止まって全く更新できなくなるので、もう少し緩い感じの感想でいいからなんとかやっていこうと思います。

 

 という事で、もう年末なので、今年見た映画をざっくりと振り返っていきます。

 

・キンプリsss 一章 ×2

・キンプリsss二章

・キンプリsss三章 ×2

・キンプリsss四章 ×2

・響けユーフォニアム 誓いのフィナーレ

・名探偵ピカチュウ

ゴジラKOM

・プロメア

ガルパン最終章第二話 ×2

センコロールコネクト(DVDで見た)

・天気の子

・ダイナー

ヴァイオレットエヴァーガーデン

・ジョーカー

・空の青さを知る人よ

・フラグタイム ×2

・すみっこぐらし

 

 計17本21回映画館で見たことになります。いやまぁ、キンプリsssを映画と言って良いのか分からないんですけども。

 数えるまでは「去年が確か7本くらいだったから、とりあえず二桁乗っててほしいなぁ」と思っていたのですが、案外たくさん見てて驚きました。過去最高は映画館でバイトやってた頃の20本くらいなんで、もうちょっと頑張れば追いつけるかも。

 とりあえずこんなかで印象に残った作品と言うと、プロメア、天気の子、空の青さを知る人よ、あたりが極めて面白かった印象があります。

 特に天気の子は本当に衝撃で、君の名は。で得た権力と資金を好き放題使って性癖をぶちまける最高の映画でした。ぶっ刺さった。

 

 書く事思いつかないんで、ここから各作品をちょっとずつレビューします。あんまりネタバレしないように気を付けますが、多少はあるんで以下自己責任。

 

・キンプリsss一章

 舞台挨拶中継付きの奴見た。これで五十嵐雅さん推しになった。こないだのイベントでも最高に面白かった。

 作品としてはプロローグとユキ編とタイガ編で、ユキ様の話を一番最初に持ってくるあたりわかってるなと思った。sssで一番面白かった。タイガ編はタイガが可愛かったので良かった。でもふんどしでプリズムショーやるのは普通にやべえ奴だなって思った。

 

・キンプリsss二章

 これだけ一回しか観てないの結構悔やんでる。もっかい見れば良かった。

 カケル編とジョージ編とミナト編なんだけど、正直ストーリーはジョージ編以外うーんという感じ。

 でもカケルのプリズムショーは最of the 高なのでやっぱりもっかい見たかった。

 ミナト編は高梁翼さんが最高の最高の最高に可愛かったので全人類履修してほしい。本当に可愛い。全世界で一番かわいい。なんであんなに可愛い子がチョイ役なんや。次回作ではもっと出番欲しい。

 

・キンプリsss三章

 レオ編ユウ編アレク編。

 レオ編は話としてはマジでクソオブクソだったんだけど、プリズムショーが良すぎてレオきゅん推しになった。可愛い。あれでちんちんついてるとかなんかのバグでしょ。でもレオきゅんのちんちんならしゃぶれるからセーフ。

 ユウ編はストーリーが一番良かったなと思った。ユウ君がうざいのだけアレだけど、後半の展開が物凄く良かった。プリズムショーも次々と驚かされ、とても感動した。

 アレク編はアレクがひたすら可愛かった。観る前にアレクの母親が出てくるという情報だけ聞いてたんだけど、あれほどまでアレクのイメージを崩さずに可愛さを見せてくれた手腕には脱帽。

 多分ユウ編を最後に持ってきたかったんだろうけど、タイガ君の点数を減らす引きを作るためにはこうするしかなかったんやろうなぁ。

 

・キンプリsss四章

 いっくんと一緒に金曜夜に最速上映観に行ったんだけど、見終わってからしばらく、二人とも呆然としてた。「絶対なんやかんやごまかされると思う」「多分何も明らかにならない」と事前に話していたんだけど、あれほどまでガッツリと描かれるとは。ルヰ君もシャインも新境地のプリズムショーを見せてくれて、やっぱり使者はとんでもないんだなと再認識。

 ザシャッフルのショーの描かれ方の雑さに笑った。

 セプテントリオンのショーは、最初のシン君の謝るところからもうずっと神懸っていた。プリズムショーの身も心も捧げる必要はないと思うけど、RLをセルフリスペクトしているところがいくつか見られて、とても嬉しくなった。

 仁さんも少し報われたというか、変化がみられてとても良かった。幸せになって欲しい。

 

・ユーフォ

 久石奏とかいうキャラがすごく良かった。ああいう自分の底を見せようとしないキャラすこ。ツイッターによく上がってくる「センパイ♡」キャラは、あの後の話になってくるのかな。

 正直見たのがだいぶ前であんまり覚えてないからコメントしにくい。あらゆる面でハイレベルな作品であったのは間違いないんだけど。

 

ピカチュウ

 いろいろガバガバだったけど、とても楽しめた。ポケモンが本当に自然に溶け込んだ世界観で、あれを見れただけでも満足。伏線は非常にわかりやすく張られていて、あんまり驚きみたいなものはなかった。そういう意味では子供向けの作品と言えるのかな。でも大人でも十分楽しめると思う。

 

ゴジラ

 とにもかくにも絵の力が本当に凄かった。キングギドラが王として君臨する場面も、ゴジラの前に他の怪獣たちがひれ伏す場面も。あまりにも美しくて格好良くて、憧れにも似た感情を抱いた。ストーリーは……うーん、よくできていたとは思うけどなんかごまかされた感。個人的にはもうちょい人間ドラマ抑えめでも良かったかなと思うけど、評論家は人間ドラマが足りんと言っていたりするみたいで、これもうわかんねえな。

 あと、渡辺謙の一番の見せ場、本当に良かった。

 

・プロメア

 実はグレンラガンキルラキルも見てなくて、まぁいいかなって思ってたんだけど、ツイッターの評判が良かったので見に行ったら大当たりだった。上記二つを見た直後に見たので目がしぱしぱしてたんだけど、途中からはそんなことも忘れて食い入るように見てた。ただの熱い物語じゃなくて、視聴者に非常に難しい問題提起をしてくる、深い作品だった。でも後半はとにかく熱さでごり押しされたので、やっぱりそういう気持ち良さもいいなと思った。グレンラガンキルラキル見ようと思う。

 あと、クレイがマジで良いキャラ。一番最後、「よかった」でも「そうか」でもなく、「余計なことを……」と言ってるのを聞けただけで1800円払った価値がある。近年まれにみる素晴らしい悪役だった。

 

ガルパン

 いやー良かった。一話が正直微妙だったからあんまり期待してなかったんだけど、戦車戦マシマシで超楽しめた。知波単の成長に涙が出、出ますよ。

 今後の展開はあんまり読めないけど、個人的には継続と戦ってほしいかなぁ。でもサンダースも好きだから、うーん。なんにしても三話が待ち切れない。

 

センコロールコネクト

 予告編見て面白そうだなぁ見ようと思って、気づいたら終わってた。超悔しかった。あんまりにも悔しいから、DVD発売直後にツタヤで借りて観た。面白かった。アレ、ほぼ一人で作ってるってマ? 新海じゃん。

 ワイが下野好きっていうひいき目もあるけど、しかしテツのあのダウナーな雰囲気に声が合いすぎている。ありえん良い。

 ああいう謎な世界観と、ほとんど解明されないままストーリーが進んで終わる物語すこ。あれで面白いんだから、スゴイ。一緒に見たいっくんは複雑そうな表情をしていたので、ワイに刺さっただけ説はある。

 

・天気の子

 今年断トツで良かった映画。本当に最高だった。オタクならアレぶっ刺さるでしょ。

 オタクがこぞって「あれはエロゲだ」と言っていた意味も、エロゲほとんどやったことないのに何となくわかった。

 選択肢を幻視するオタクが続出したみたいだけど、なるほどと思わされるほどに本作は「決断ポイント」が多かった。そんでもって、その決断の多くには時間的切迫と必然性が伴ってるので、どんどん状況が悪化していく事に説得力があった。決断ポイントは基本的に多ければ多いほど物語が面白くなるので、そういう意味で、天気の子はよくぞこれほどまでたくさんの決断を盛り込めたなと尊敬する。普通、こうまでは入れらんない。

 ただ、君の名は。に比べてかなり人間や社会の汚い部分が描かれているし、最後の落とし方も賛否両論出るものなので、絶賛とまでいかないのは当然。でも個人的に、あの「大切な人のためなら世界なんて知ったことか」という締め方は超絶好き。誰だって、世界を犠牲にして大切な一人の女の子を助けたい願望あるでしょ。

 多分次回作は今作ほどの金をかけることはできなくなるだろうし、タイアップ企業も減るだろうけど、そういう事は気にせず尖った作品を作ってほしい。いうてまだ上映してるくらいだし、なんやかんや興行収入バケモンか。

 

・ダイナー

 今年唯一見た邦画。藤原竜也がひたすらつよつよだった。

 映画としての魅せ方も非常に良かったし、物語も良かった。

 でもアクションが邦画特有の格好良く見せようとしてダサくなってるやつで、映画館の中で爆笑しちゃった。

 

ヴァイオレットエヴァーガーデン

 もともと見る気なかったんだけど、百合と聞いたので、いっくん邸にてほんへ一挙放送やって、映画見た。

 感想としては、前半の百合成分があまりに強すぎて、後半の印象が霞んでしまったという印象。でもいい話だった。ほんへとあんまり変わらなかったので、映画というよりは番外編とか続編って感じかも。まぁあの超絶作画を映画館の大画面で見れるだけでも価値があるので満足。

 

・ジョーカー

 ツイッターでやたらと話題になってたので見た。面白かった。

 個人的にはあまり刺さらなかったけど、多分刺さる人には人生で一番の映画になるだろうなって感じ。とにかく尖ってた。

 見ながらいろいろ考えさせられた。何が本当で何が妄想なのか。誰が善で誰が悪なのか。多分無限の解釈の仕方があるんだろうな。だから、あれを見て気持ち良くなるのも、怖いと思うのも、よくわからないと思うのも、全部正しい。すべての作品がそうと言えばそうなんだけど、ジョーカーはその側面がより強い気がする。

 

・空の青さを知る人よ

 ここさけがめっちゃよかったから観たけど、めっちゃよかった。方向性が違いすぎてどっちの方が面白いとか好きとかは言いにくい。

 設定の転がし方が物凄く良い。「この設定なら普通こうする」という部分を全部ひっくり返して描いてて、この手の作品を見慣れた人の方がより楽しめる映画になってた。

 後半の展開はさすがに雑極まりなかったけど、それでも一番の見せ場は、ペンギンハイウェイを彷彿とさせる気持ち良さで、全てがどうでもよくなった。

 数々のマイナスを補って余りあるプラスの作品だった。

 

・フラグタイム

 あと30分くれ。

 多分60分未満っていう時間制限をつけられたんだろうな。あのクッソ濃密な全二巻を、絵と声と超絶力業でまとめ切った。なんやかんやフラグタイムの良さをしっかり描けていたあたり、監督の有能さがうかがえる。だからこそ後30分欲しかった。私が億万長者なら言い値の予算出して監督にもっかい作ってもらう。

 それはそうと、原作では全然なかった海と公園のカットがたくさん挟まれていたのは、なんだったんだろうか。多分ちゃんと意味があるんだろうけど、よくわからなかった。調べても出てこない。思いついたらまた記事書くかも。

 

・すみっこぐらし

 なるほどたしかに、ちょっと声の大きい過大評価が通り過ぎているかなという印象。それでも、とてもよく出来た優しい物語で、興味をぐいぐいと引っ張られたし、最後はやっぱりジーンと来た。

 大人帝国の名前が出る理由も分かったし、同じようにぞくりとする部分はあったのだけれど、やはりアレと比べてしまうのは流石に分が悪い。まぁ好みの問題もあるから、こちらの方が好きという人もいるだろうけれど。

 非常に丁寧に作られた佳作という印象。子供にも大人にもそれぞれの視点で楽しめるよう工夫が凝らされていたのには舌を巻いた。

 

 

 大体こんな感じです。もっといろいろ書くべきかなって思ったけど、正直いろいろ忘れてるしキリがないからまぁいいや。映画関連での今年の心残りはファーストマンを見逃した事くらいですかね。

 今年の映画でほかにオススメのやつとかあったら教えてください。DVD借ります。