だいふかない記録

だいふくがマンガの感想を書いたりほかのことを書いたりします

読書記録 26年6月

 どうも。ごきげんよう。だいふくです。
 六月の読書記録です。

 

 

●自死という生き方
 積極的な死の受容の理論を、哲学者がその身をもって証明した本。
 今年読んだ中で暫定一位。とんでもなく面白かった。『人生を謳歌し満足したからこそ自殺する』という逆説的な理屈を展開するんだけど、読みながら「たしかに合理的かもしれない……」と納得させられてしまった。
 著者本人がこの本で論じたとおりに自殺をやり切ったっていう前提情報ありきの感じ方かもしれんが、とにかく本全体から発せられる底知れない迫力に圧倒されてしまった。


●疲労凍死/天幕の話
 雪山での遭難にまつわる物語。
 二百ページくらいの中編ふたつにおまけ的な掌編ひとつという構成。
『疲労凍死』は遭難してからが面白かった。人命救助のために必死になり、救出を喜んだり死亡を悲しんだりする姿は本能的にわかるので、それだけで胸を打つ力があった。
『天幕の話』は『疲労凍死』の縮小再生産というか、圧縮して短編集にしましたみたいな話で正直微妙。核となる仕掛けもちょっとあからさますぎたし。


●八月のシンデレラナイン 北風に揺れる向日葵
 故障で野球を諦めた少年が、女子野球部の監督になる物語。
「小説って文章力大切なんだな」としみじみ理解させられた。ドヘタクソすぎ。おれのほうが百倍いい文章書ける。
 ストーリーに関しては、正直前半はかなりキツイ。ただ、中盤あたりで東雲が出てきてから面白くなり始めて、そっからはそこそこ楽しめた。最終的には夏にやってる劇場アニメ感ある爽やかな着地を決めてくれたので、なんだかんだ読後感良かった。
 ちなみにハチナイは原作もアニメも履修してない。ニコニコの『ハチナイのアニメを布教する動画』シリーズは大好きで何度も見てる。あれ面白いのでオススメ。

 


以上!!!!!!!!
では、また来月。

読書記録 26年5月

 どうも。ごきげんよう。だいふくです。
 五月の読書記録です。

 

 

●ぼくと未来屋の夏
 小学生の少年が、未来屋を名乗る居候とともに街の謎を解き明かす物語。
 わりと面白かった。未来屋のミステリアスなんだけど愛嬌ある部分とか、主人公と未来屋のチクチクと皮肉を刺しあう関係など、はやみね先生の得意な描写が随所に盛りこまれてて楽しく読めた。かと思いきや、ヘラヘラ読んでるところに急に張り手されるような驚きの展開をお出しされて、うまいこと引きこまれた。
 最後の収束だけちょっと雑というか、よくわからないまま終わってしまったのが残念だったかも。


●人は、なぜさみしさに苦しむのか?
 人がさみしさに苦しむ理由を解き明かし、どう対処していくべきか論じた本。
 アマゾンだと新書に分類されていたが、中身はほとんどビジネス書。それもかなり軽くて怪しい類の。参考文献もほぼない。この著者のことよく知らないけど、たぶんかなり怪しい人なんじゃないかな。読んでる最中、脳内堀元が十回くらいキレてた。大学は研究しねぇよ。
 ただ、それなりに納得できる記述や面白い部分もあったので実際のところそんなに悪い本ではない。『誰にも頼られないことは寂しいことである。逆説的に、頼るという行為はその人のためになるのかもしれない』という理屈にはなるほど……と唸ってしまった。


●空の境界(上巻)
 死を視る能力を手に入れた少女が、殺人鬼たちと戦う話。
 ……なのかな? なんだろ、上巻の時点では話の全体像がサッパリつかめなくて、どういう物語なのかを簡潔にまとめることが極めて難しい。視点もコロコロ入れ替わるし時系列もあっちこっちいくし。
 ただ、面白さという点で言えば間違いなく一級品。ちょっと読みづらい文章ではあるんだけど、全編通してハチャメチャに格好良くて、ほれぼれしてしまう。初めての奈須きのこだったんだけど、なるほどこれは大量のオタクの脳を焼くわと納得感しかなかった。
 とりあえず、続きが気になって仕方ないので、なんとか時間を作って中巻、下巻と読みます。


●後悔と自責の哲学
 後悔と自責について哲学的に分析した本。
 哲学者たちの思想を引用しつつ、様々な観点から解説してくれている。わりと難解なんだけど、頭が働くときに読めばそこそこ理解できるくらいの難易度にしてくれてた。ありがてえ。
 あとがきの『社会は後悔と自責を否定し、幸福になれと圧力をかけてくる。しかし、哲学は幸福を否定してでも真実を追い求めようとする営みである』という言葉はなるほどしっくりきた。こういうマッチョな思想好き。


●贖罪 殺人は償えるのか
 長期服役中の殺人犯との手紙のやりとりを通して、償いと贖罪について考察した本。
 ものすごく良い本だった。この手の本を読んだことがなかったからというのもあるのだろうが、いままでなかった視点をたくさん与えてくれた。
 厳罰の犯罪抑止効果について、受刑者が『刑務所に入る人間の多くは、犯罪をしても自分が逮捕されるかもしれないという観念がない。仮に逮捕されたとしても、どの程度の刑を受けるのか知らないし考えもしない。だから抑止効果は低いんじゃないか』と言ってて「や、闇バイト~~~~~~~~!」ってなった。それなりの知識と想像力と思考力を持てた自分はラッキーだったなとつくづく思った。

 

 

以上!!!!!!!!
では、また来月。

まいてつ プレイ記録

 どうも、ごきげんよう。だいふくです。
 まいてつというゲームを完走したので感想を書いていきます。
 ネタバレは極力避けますが、完全には防げないので、以下自己責任で。

 

 

●まいてつってどんな作品?
 工場誘致の話が持ち上がった田舎町、御一夜市を故郷に持つ男、双鉄が、蒸気機関車8620を観光資源に経済再生することで工場誘致を撤回させる物語。
 18禁恋愛アドベンチャーゲーム。steamやPS4、switchでも発売されており、そちらは全年齢向けなのでお子さまにも安心。選択肢は共通の最後にどのルートに入るかだけで、その前も後も一本道なので、感覚的にはゲームより映画やアニメに近いかもしれない。
 ちなみに、R18要素は本編中ではスキップされ、回想シーンで見る形式になっている。個人的にはかなり嬉しい。

 


●総合評価
 傑作と言っていいと思う。
 絵も綺麗でよく動くし、キャラクターもみんな魅力的だし、話も起伏に富んで面白い。ルートごとにクオリティの差はあったけれど、単独シナリオライターで作ったおかげか、キャラのブレや情報の錯綜などもほとんどなく、気持ちよくプレイできた。この膨大なシナリオをひとりで作ったってなに????

 

 

●メインルート
・ハチロクルート
 8620の機関士として一人前になる話。
 メインプロットである地方創生についてはあっさり目で、その分サブプロットとなる双鉄さんとハチロクのトラウマからの脱却、成長をガッツリ描いてくれていた。
 個人的には全ルートの中で一番感動した。わりと粗くて強引な話運びではあったが、それが気にならないくらいに感情でぶん殴られた。
 あと、CGもかなり気合が入ってて、雨のシーンや布団の中のシーンは美しすぎて変な声が出た。


・日々姫ルート
 民草からの動き、ボトムアップで地方創生を目指す話。
 メインプロットの市長選は、ちょっとトントン拍子な雰囲気もありつつ、わりとしっかり起伏があって面白かった。日々姫の良さが出てたし、終盤の一転攻勢は気持ちよかった。
 が、サブプロットである双鉄さんと日々姫の恋愛話が正直かなりキツかった。双鉄さんが日々姫を意識し始めるのがあまりに唐突だし、そこからの心の動きもあまりに解釈違いで、おれの中の横綱が「双鉄さんはそんなことしねえ~~~~~~!!」ってずっとキレてた。


・ポーレットルート
 市政からトップダウンで観光復興を目指す話。
 完成度としては間違いなくこのルートが一番。工場誘致賛成派の抵抗がすさまじく、プレイしながら何度も「これどうすんだよ……」「もう無理じゃね……?」となっていた。それだけに、最後ポーレットの積み重ねが結実した場面では泣きそうになってしまった。
 サブプロットである双鉄さんとポーレットの恋愛話も説得力があり、かなり好き。このふたりの過去、あまりにも人間の営みすぎる。

 

 

●サブルート
・真闇ルート
 世界に認められる焼酎をつくり、地方創生の軸に据える話。
 メインルートを踏まえての双鉄さんと真闇姉の関係構築が巧みで、上手ぇ……と素直に感心してしまった。
 真闇姉好きなんだけど、それより、日々姫の負けヒロインとしての輝きが最高に美しくて泣けた。


・稀咲ルート
 工場誘致賛成派である銀行と手を取り合い、デカい規模での地方創生を目指す話。
 全ルートで一番平和かも。『御一夜を大切に思う気持ちに相違はないが、御一夜のなにを大切に思っているかに食い違いがある』というのはなるほどな視点だった。
 サブプロットの恋愛はかなり強引なんだけど、デレた稀咲がバチクソ可愛いから、まあええか! になった。


・ふかみ&凪ルート
 トラウマを克服する話。
 ハチロクルートの中に差しこむ形で描くことで、地方創生まわりの話を全カットし、双鉄さんの人間的成長に全振りするという思い切った構成。
 凪とふかみのらしさが最大限出ていて、前半では笑い、後半では深く感動できた。個人的にサブルートで一番好き。


・れいなルート
 純真無垢な幼女と触れ合うことで人間性を取り戻す話。
 ポーレットルートの中に組み込み、れいなと恋愛をするルート。正直このルートは内容をほとんど覚えてない。あまりに双鉄さんとれいなの恋愛に違和感が強すぎて……。
 ただまぁ、それはそれとしてポーレットもれいなも大変可愛かった。

 

 

●グランドルート
 ここまでのメインルート、サブルートで出てきた地方創生案すべてを合体させた話。
 このルート大好き。淑女協定まわりの話が面白すぎて、ケラケラ笑いながらプレイしてた。地方創生もサクサク進んで気持ちよく、でも過去から脱却するシーンではぐっときて、最終的にさわやかに未来を見て終了。
 いやあ、いい作品だった。

 

 

●まとめ
 あらゆる面において、とにかく作りこみが半端なくて、全体を通して非常によくできたゲームだったと思う。
 個人的に一番偉いと思ったのが、主人公の双鉄をとにかく真面目で礼儀正しく前向きなキャラにしたこと。ヒロインがたくさん出てくる恋愛物語の宿命として、主人公が不自然なくらいにモテるんだけど、「まぁでも双鉄さんいい男だからな……これくらいモテるのも当然か……」と納得させられてしまった。強い。
 あと、物書きを志す人間としては、全編通して、その圧倒的な取材量に敬服するしかなかった。観光復興も鉄道も市政も選挙も銀行運営も川下りも、とにかくあらゆるイベントにおいて「ああ、なるほどそう考えるものなのか」「はえ~そうやって立ち回るものなんだ」と感心しきりだった。うんちくをうんちくで終わらせず、常に物語に絡めていたのもプロの仕事としか言いようがない。これだけの情報量をひとりのライターで扱いきったってどういうこと???
 ちなみに、攻略順は好きにしたらいいけど、個人的に、ポーレットルートは日々姫ルートのあとにやったほうがいいと思う。やってることが近くて、明らかにポーレットルートのほうがクオリティ高いので。自分はポ→日→ハの順に攻略したせいで、日々姫ルートでちょっと肩透かしを食らった感じになってしまった。もったいない。

 

 


 以上!!!!!
 去年の九月くらいに五百円だったか三百円だったかのセールで買ったんですが、もし仮に定価で買っていたとしても満足していただろうなと思います。そのくらいにはクオリティが高かった。
 正直、語りたいことはもっと山ほどあるんですけど、あんまり書いてもまとまりがなくなるので、とりあえず今回はここまで。
 LastRunを完走したらまた感想書きます。
 では。

読書記録 26年4月

 どうも。ごきげんよう。だいふくです。
 四月の読書記録です。

 

 

・人類は衰退しました
 人類の衰退した世界で、調停官として妖精と関わる少女の物語。
 とにかく変な小説だった。作品の雰囲気に合っていない堅い言い回しがちょこちょこでてきたり、第二部で急にそれまでにない表現をしたり、世界観が妙にフワフワしてたり、明らかに知らないだろう単語が使われていたりと、そこかしこに違和感がちりばめられていた。なにか仕掛けられてることはわかるんだけど、その仕掛けがなんなのか、一巻時点ではわからなくて、いい意味でモヤモヤする。作者が「アルジャーノンに花束をを下敷きにしてる」って言ってた前情報ありきでの感じ方かもしれんが。この辺の伏線がどう回収されるのか気になる気持ちと、まぁでも続刊読むほどじゃないかな……という感情が共存してる。


・No.6
 未来都市でエリートとして育った子供が、はみだし者の少年との出会いから転落し、ディストピア世界と戦う物語。
 とにかく主人公のキャラクターが良い。エリートなんだけど全然弱くなくて、むしろかなり頭のねじが外れてる。でも常識的で、ちゃんと読者が共感できる人物造形になってる。なんちゅうバランス感覚や。
 話もすごい面白いんだけど、一巻時点では壮大な物語のプロローグにしかなっていなくて、「続きは!? 続きはどこ!?」ってなる。二巻だよ。


・船を編む
 辞書を作る物語。
 めちゃくちゃ面白かった。地味な話で、派手な展開とかキャラクターとか一切ないんだけど、なぜか読む手が止まらなかった。極端なことを言うと、ルリドラゴンに近い読み味かも。登場人物の圧倒的な人間味だけで読ませるから『なにが面白いかわからんがなんか面白い』となる。西岡さん好き……。
 あと、物書き視点で見ると、メインプロットとサブプロットが明確に分けて描かれていて、ああなるほどこうやって書くものなのかと勉強になった。いままでなんとなく理解しつつごっちゃに考えていた部分を、しっかり理解させてもらえた。大変勉強になりました。


・きっと彼女は神様なんかじゃない
 生贄となった少女が、自称神様の少女と出会い、孤独を癒す物語。
 よくも悪くも入間人間だな、という印象。一人称の小説という強みを存分に生かした構成は見事だし、最後の着地も綺麗で好き。ただ、面白いかと言われると、「そこそこかな……」となる。

 

 

 以上!!!!!!!
 ではまた来月。

読書記録 26年3月

 どうも、ごきげんよう。だいふくです。
 三月の読書記録です。

 


・読んでいない本について堂々と語る本
 読んでいない本について堂々と語るにはどうしたらいいか論じた本。
 悪い意味で翻訳書らしいなと感じた。死ぬほど読みづらくて、ほとんどナナメ読みになってしまった。サービス精神があり、大胆な主張もいろいろ書いてくれてるんだけど、いかんせん引用し論じる本が『吾輩は猫である』以外一個も知らんもんだから、もうどうしようもない。無理。
 いちおう、なるほどと感心するような記述、主張もいくつかあったけど、いうほど腹落ちはしてない。無理。

 

・刑の重さは何で決まるのか
 刑法学入門書。
「新書だし、おもろい部分だけかいつまんで読ませてくれるでしょ」って軽い気持ちで手に取ったら、基礎から真面目に刑法学を説明した本だった。読んでる最中、ずっと大学の講義を受けてる気分だった。罪刑法定主義とか百年ぶりに聞いたわ。
 ちゃんとした人の書いた本であることはわかるんだけど、正直なところ読んでて全然頭に入ってこなかった。「脳みそ使って理解しようとしながら丁寧に読めばちがうんだろうな」って感覚はあったけど、今月ずっと忙しくて精読する余裕もなく……。
 ただ、「裁判官って前例主義でクソだよな」って漠然と思ってた部分を、『法律や裁判は将来被害に遭う人を減らすためのものである』『前例から外れた判決を下してしまうと、公平感がなくなり、ひいては社会秩序の維持に悪影響を及ぼす』と完璧に説明してくれて、なるほどそれなら仕方ないかもしれんと納得できたのはよかった。

 

・万事快調<オール・グリーンズ>
 女子高生が校舎の屋上で大麻を育てる物語。
 最後の三十ページくらいはかなり面白かった。一気に収束していく感じが気持ちいい。
 ただ、それまでがダラダラしすぎで読み進めるのがだいぶしんどかった。作品全体に漂う不快感がリアルだと言われるとたしかにそうなんだけど、エンタメ小説にその要素は求めてないので……。森絵都先生が『うまくはないが際立って面白かった』と松本清張賞の選評で言ってたけど、正直「うまくないし面白くもないな……」と思った。
 まぁ、上記のログラインがあまりに面白そうすぎて、その期待感とちがうものをお出しされたガッカリ感が、この感想の原因かもという気はする。

 

・時給三〇〇円の死神
 時給三〇〇円の死神として幽霊を成仏させていく少年の物語。
 前半から中盤あたりまでは「やりたいことはわかるけど上滑りしてるなあ」という印象だったが、終盤になって一気に面白くなり、なんやかんやしっかり感動できた。
 良かった点悪かった点どっちも大量にあるんだけど、個人的には、主人公のロスタイムへの解釈が一番印象に残った。おれはこういう希望の持たせかたに弱い。
 ただまぁ、総合的には「この設定、このギミックならもっと面白くできたやろ……」というのが正直な評価かなぁ。

 


 以上!!!!!
 今月は全体的に頭が働いてなかったので、あんまりアテになんないと思います。なんもかんも花粉が悪い。
 ではまた来月。

読書記録 26年2月

 どうも、ごきげんよう。だいふくです。
 二月の読書記録です。

 


・ヒトはなぜ恋に落ちるのか
 進化心理学の観点から、ヒトがなぜ恋に落ちるのかを論じた本。
 読んでいる最中、ずっと「いまなんの話をしてるんだ……?」となっていたが、訳者あとがきで完全に腑に落ちた。全部だ。『脳内物質やニオイやパートナーに求める要素や、そういったすべてを無意識的に複合させ、合理的判断として恋に落ちているのである』というロマンチックさのかけらもない話が本書の結論。最高。ドカンとひとつ、恋に落ちる理由はこれだ! って書いてくれたほうが絶対面白いんだけど、そうはしない誠実さが、きちんとした学者の態度を感じさせられて好印象だった。

 

・人格改造マニュアル
 クスリ、洗脳、サイコセラピー、その他の四章立てで、生きやすくなるための手段を解説する本。
 合法違法関係なく紹介しててすげえ本だなと思わされる。が、諸説あるものを断定的に語っていたり、三十年前の本なだけあって情報が古かったりするので、現代感覚からすると話半分に読むべきだろうなと感じる。戸塚ヨットスクールをオススメしてて、さすがに乾いた笑いが出た。
 あと、著者が東大卒だからかもしれないが、頭のいい人が頭のいい読者を想定して書いた本という印象を受けた。『正しく使えば違法薬物も現代社会を乗り切る力になる』と語っているが、依存して破滅する人ってストッパーが上手くきかなかったり、何かの拍子に外れちゃったりするんすよ……そのへん視界に入ってないんだろうな……と思った。

 

・トラペジウム
 アイドルになりたい女子高生が、仲間集めをしてユニットとしてのデビューを目指す物語。
 映画が公開されていたころ、酷評する人と脳を焼かれた人が同時に流れてきて、すごい気になってたので読んでみた。感想としては、「なんか、惜しい。ずっと惜しい」という感じ。面白くなりそうなポテンシャルはあるし、実際序盤と終盤は良かった。ただ、中盤がかなりダルかった。あそこをもうちょっと圧縮してアイドルになってからを詳しく描いてくれたほうが嬉しかったかなあ。
 あと個人的に、主人公である東ゆうの切実さにピンとこなかったのが痛かった。アイドルになるためにすげえ執念を燃やして、あらゆるものを利用してっていうのはいいんだけど、そこまでしてアイドルを目指す理由が全然描かれていなかったので、読んでる最中ずっと首をひねってた。作者が根っからのアイドル好きで実際にアイドルになった人だから、言語化のしようがなかったんだろうなあ。

 

・自殺帳
 精神科医が、自分の見てきた患者や創作物など様々な自殺事例について思索した本。
 前書きで『だらだらと書き連ねた』とあるとおり、論旨のまとまった本ではない。が、文章が非常に上手く、スルスルと読めるし面白かった。あまりにいい文章を書くものだから「この人小説書いてそうだな」と思って経歴調べたら、小説は書いてないけど三十年以上コンスタントに本を出し続けてるバケモンだった。
 内容的には、あんまり中立的じゃないというか、著者の思想が強めに入ってるので、好みは分かれるかも。現場を知らずしたり顔で語るエリートたちについてメチャクチャ悪口書いてて、私はケタケタ笑いながら読めた。

 


 以上!!!!!
 ではまた来月。

読書記録 26年1月

 どうも、ごきげんよう。だいふくです。
 一月の読書記録です。

 


燃えよ剣(上巻)
 田舎の喧嘩士である男が、新選組を作り育ててゆく時代小説。
 初めての司馬遼太郎だったが、驚くほど読みやすかった。古い小説だから太宰みたいな文章の密度を想像してたんだけど、実際はラノベばりに改行を多用してた。ありがてぇ。
 主人公である土方がとにかく右に左に大活躍してて、カッコイイのなんの。どのくらい史実通りなのか知らないけど、なるほどこいつ以外に主人公はありえないなと思わされる。ただ、絶対に関わり合いにはなりたくない。新選組とかいう組織、ほとんどヤクザだわこれ。怖すぎ。
 下巻は内容忘れないうちに読みます。

 

・「死ぬのが怖い」とはどういうことか
 死ぬことを異様に恐れる科学者が、なぜそう感じるのか、どうすれば克服できるのかを探る本。
 きちんとした科学者の書いた誠実な本だという印象。科学がどういう立場を取り、どういう考え方をしているのかを明示し、繰り返してくれる。偉い。
 ただ、後半の具体的にどうやって死の恐怖を克服するのかっていう話については、基本的に屁理屈が多くて、読んでいる最中ずっと首をひねっていた。
 個人的に一番驚いたのは、人が死を恐れる理由を「過去と未来を考える能力の副産物として、死を恐れる感情を身につけてしまった」と結論づけていたところ。てっきり進化上死を恐れるほうが都合が良かったからだと思っていたが、なるほどこれはこれで納得感があった。

 

・アステリズムに花束を
 気鋭の作家たちによる百合SFアンソロジー
 一本目にお出ししてくる短編の登場人物が女性ひとりだけで、「やってんねぇ!」ってなった。
 全体としてみると、SFに寄せた物語と百合に寄せた物語に分かれる感じがあって、個人的にはSFが苦手なので百合に寄せてくれたやつが嬉しかった。最後の小説が一番百合とSFのバランス取れてた印象かなぁ。
 ともあれ、まさしく珠玉のアンソロジーという感じで、どの話も大変面白かった。

 

・復活!! 虹北学園文芸部
 中学一年生の女の子が、廃部になってしまった文芸部を復活させるために仲間集めに奔走する物語。
 序中盤はそこそこという感じだったけど、後半はかなりキャラがイキイキとして面白かった。はやみね先生の良いとこが出てた感じある。
 ただまあ、それ以上特に言うことがないくらい印象は薄い。あっさり読めるという意味では良いけど、できればもう少し長い物語で読みたかったンゴねえ。

 


 以上!!!!!
 ではまた来月。