だいふかない記録

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棋書レビュー 詰みの条件

 どうも、ごきげんよう。だいふくです。

 朝の読書タイムって棋書読んでも良いんでしょうか。まぁ私の小中学生時のうんちみたいな棋力では、何を読んでも理解できなかったでしょうけれども。

 という事で今日は棋書レビューです。

 

詰みの条件 宮田敦史

 

 大変な名著でした。

 いわゆる詰将棋の本なのですが、本書は囲い別にカテゴリわけされており、しかも駒余りオーケーと、非常に実戦的となっています。

 そして何より素晴らしい特徴が、「先手が何を持っていれば後手玉が詰むのか、持ち駒の選択肢3~4個を挙げる」というシステム。

 本間先生の「実戦詰め筋辞典」と、森先生の「読み切り将棋」を合体させたような、無茶苦茶手間のかかった素晴らしい一冊となっております。

 

  • レイアウト

 出題一ページ解答解説三ページという構成で一貫されています。解説がかなり丁寧で、詰将棋本にありがちな「この変化でどう詰ますのか分からない」という不満を抱くことはほとんどないと思われます。

 またこの手の問題集にありがちなクソデカヒント君なども存在せず、ストレスフリーで純粋に問題に取り組めるのもとても良かったです。

 

  • 問題数

 美濃は14問と力が入っていましたが、他の囲いは概ね5問前後と、ちょっと少なめな印象。振り飛車党的には満足ですが、相居飛車を好む人にはやや不満が残るかもしれないです。

 

  • 難易度

 正直、かなり難しかったです。

 参考までに私は81道場で三段なのですが、三十分考えても結論が出なくて、結局答えを見るような問題もいくつかありました。少なくとも、あっさり解けるような問題はほとんどなくて、相当手ごたえのある問題集でした。

 棋力的には最低でも有段から。自分の棋力でも結構背伸びした棋書だった気がします。

 

  • 解いてるときの感触

 通常の詰将棋を解いている時とは、だいぶ違う感じがしました。

 私の詰将棋の解き方は、大体、持ち駒からメタ読みして手順を総当たりします。

 本著でも、最初はそうやって解きますが、基本的になかなか解けないので、だんだんと解き方が全体的になります。

 つまりどういう事かと言うと、「この形ならこういう手順で詰みそうだけど、これに当てはまる持ち駒は……」と、三択ないしは四択から探すような解き方になるわけです。

 基本的に、実戦で指し手を総当たりするような時間はありません。だから、事前に形と詰み筋を知っておく必要があります。

この問題集の形式は、この「形と詰み筋」から思考がスタートするのです。

 また、多くの問題は詰まない持ち駒の選択肢も用意されているので、必ず詰むという前提に基づいたメタ読みをすることは少ないです。むしろ選択肢ごとに「一目詰みそう」「何となく詰まなさそう」という直観力を働かせて手を読むことになるので、そういった感覚を養う意味でも有用なのではないでしょうか。

 

 

  • まとめ

 以上が、一読した感想です。

 大変な名著であると絶賛したわけですが、実際のところ、この手の終盤本は二週目以降してみないと何とも言えません。

従来の詰将棋本と比べて、どの程度実戦に置いて役立つのか。これから自分の身で体験してみて、気が向いたら追記しようと思います。